1年後に迫った宮城県の高校入試における全権一区制。
毎日新聞2009年3月25日地方版がそのメリットとデメリットを簡潔にまとめて伝えてくれます。
県内の約300の進学塾が行っている模擬試験「新みやぎ模試」は、多い時には1万人を超える中学生が受験する。その最新データによると、偏差値55以上の県立高(普通科)は仙台市内に10校あるが、同市以外には1校もない。
模試を主催する県私塾協同組合の大沼信雄専務理事は「レベルの高い学校は仙台に一極集中している」としたうえで「学力が高く、お金に余裕のある他市町村の子は仙台の私立の進学コースに通っている。そういう子たちにとって、全県一学区は『仙台の県立高に入るチャンス』になるのでは」と推測する。
いわゆる学区の撤廃によるメリットデメリットの話は全国どこでも起こっており、これまでも多くの県で議論されてきました。
「チャンスが広がる」というのはメリットだという見方をする一方の意見でもあります。しかし、もう一方、デメリットの見方をする人の意見も大体決まっています。
気仙沼市立中の男性教諭(41)は「気仙沼から仙台への通学は不可能。『下宿させるお金は無いから、全県一学区は自分たちには関係無い』と話す保護者は多い」と話す。岩沼市立中の男性教諭(51)も「外からの生徒流入で近くの公立高には入れない、でも、遠距離通学したり、私立に入るお金は無いという子供が増えるかも」と表情を曇らせた。
つまりチャンスにはならないのだ、いやチャンスになるのは裕福な家庭の子供たちだけだとこれが一方の意見です。結局、議論は平行線のまま、最終的には学区の撤廃が行われるというのが一般的な全国の流れです。
たとえば新潟県の場合も、圏域が広い地域では特にこうした問題が議論されました。新潟県の場合は、都市部への一極集中という事態は起こらなかったのですが、宮城県でも同じように都市部への受験生の集中という事態は起こらないのではないか、そう思います。
なぜなら、物理的に通学が無理な場合、下宿してでも通学するという気質を今の生徒は持っていませんからね。一部ではそうした生徒も出てくるでしょうが、それもわずかな数だと思います。
この1年、宮城県ではこの手の議論がたくさんなされるでしょうが、これは供給側、つまり教育委員会・学校側の問題ではなく、受験する家庭側の意識の問題だと思います。議会や教育委員会での議論を待つのではなく、各家庭で高校選択について真剣に話し合う必要があると思います。



