宮城県高校入学者選抜審議会は2月19日、推薦入試の見直しを柱とする県立高校入試制度の改善の中間のまとめを行い、発表しました。
今後の県立高等学校入学者選抜の在り方について、県立高校入試制度の改善の中間のまとめによれば、平成22年度から全県一学区に移行することが決定しており、これに伴い、今後は各高校が地域に根ざした特色ある学校づくりをー層推進することが急務と記してあります。
中間報告では現在の宮城県の入試制度の問題点としていくつか挙げられています。
現行の推薦入試の問題点
推薦入試を学力検査が不要な早期合格の手段ととらえるような本来の趣旨とは異なる考え方もみられる。また、推薦入試合格から高校入学まで約2か月の期間があることから、学習意欲が低下する推薦合格者もみられ、中学校の学習に支障が生じるばかりでなく、高校入学後の円滑な学習のスタートにも影響を及ぼしている。
調査書及び学力検査の問題点
調査書及び学力検査の結果に基づき相関図表を用い総合的に審査するという現行の制度については、中学校や受験生・保護者に対して各高校の選抜方針をどのように具体的に示すか、あるいは高校の特色化を図るために学校裁量幅をどのように拡犬するかという点で課題がある。
調査書の活用について
推薦人試・一般入試・第二次募集いずれの場合も調査書は重要な選抜の資料であるが、絶対評価の導入以来、特に5段階評定について評価の客観性・公平性の維持が課題となっている。
などなど・・・・
これらを踏まえて、宮城県高校入学者選抜審議会は、推薦入試を従来の推薦入試を廃止し、各高校の特色に応じた「特色化選抜」の導入などを検討する。
また、募集定員に対する割合の上限を現行の推薦入試の上限よりも下げて設定、実施する学校・学科ごとに求める生徒像や出願要件を明確化するとともに、選抜方法についても、評価項日や配点等、可能な範囲であらかじめ公表することを検討。
さらに学力の定着という観点から、選抜方法として面接・作文のほかに学力検査等を加えるとについて検討する。
一般入試では、調査書と学力検査の結巣を総合的に評価する方法として、現行の10段階区分による相関図表を用いた選抜方法の見直しについて検討、調査書点と学力検査点の比重の置き方については、学校による裁量幅を拡大、一般入試の出願に際しては志望の動機が確認できるような方法を検討するなど。
以上を踏まえ、宮城県高校入学者選抜審議会は、試案として、現行の「推薦入試と一般入試」を「前期選抜と後期選抜」に組み替え、AからDの4案を提示しました。
宮城県県立高校入試の改善試案【A案】
受験機会は第2次募集を含め、最大3回。
推薦入試に替えて、各高校の特色に応じた特色化選抜を前期選抜として行う。その際、学校の裁量で学力検査(最大3教科)も可能にする。
後期選抜として、5教科の学力検査を実施する。
宮城県県立高校入試の改善試案【B案】
受験機会は第2次募集を含め、最大3回。
前期選抜として専門学科では推薦入試を継続し、普通科では推薦入試に替えて各高校の特色に応じた特色化選抜を前期選抜として行う。
その際、学校の裁量で学力検査(最大3教科)も可能にする。
後期選抜として、5教科の学力検査を実施する。
宮城県県立高校入試の改善試案【C案】
受験機会は第2次募集を含め、最大3回。
推薦入試に替えて、各高校の特色に応じた特色化選抜を前期選抜として行う。ただし、3教科の学力検査を必須とする。
後期選抜として、5教科の学力検査を実施する。
宮城県県立高校入試の改善試案【D案】
すべての学校・学科で定員を分け、2回の選抜を行い、受験生全員に対して2回の受験機会を確保する。
推薦入試に替えて、前期選抜として5教科の学力検査を実施する。
後期選抜として3教科の学力検査を実施する。
これはまだ中間報告の段階ですので、これから議論が深められ、最終決定に向かいます。新制度の導入は、早くとも2012年度の入試からとなる予定です。
1年後に迫った宮城県の高校入試における全権一区制。
毎日新聞2009年3月25日地方版がそのメリットとデメリットを簡潔にまとめて伝えてくれます。
県内の約300の進学塾が行っている模擬試験「新みやぎ模試」は、多い時には1万人を超える中学生が受験する。その最新データによると、偏差値55以上の県立高(普通科)は仙台市内に10校あるが、同市以外には1校もない。
模試を主催する県私塾協同組合の大沼信雄専務理事は「レベルの高い学校は仙台に一極集中している」としたうえで「学力が高く、お金に余裕のある他市町村の子は仙台の私立の進学コースに通っている。そういう子たちにとって、全県一学区は『仙台の県立高に入るチャンス』になるのでは」と推測する。
いわゆる学区の撤廃によるメリットデメリットの話は全国どこでも起こっており、これまでも多くの県で議論されてきました。
「チャンスが広がる」というのはメリットだという見方をする一方の意見でもあります。しかし、もう一方、デメリットの見方をする人の意見も大体決まっています。
気仙沼市立中の男性教諭(41)は「気仙沼から仙台への通学は不可能。『下宿させるお金は無いから、全県一学区は自分たちには関係無い』と話す保護者は多い」と話す。岩沼市立中の男性教諭(51)も「外からの生徒流入で近くの公立高には入れない、でも、遠距離通学したり、私立に入るお金は無いという子供が増えるかも」と表情を曇らせた。
つまりチャンスにはならないのだ、いやチャンスになるのは裕福な家庭の子供たちだけだとこれが一方の意見です。結局、議論は平行線のまま、最終的には学区の撤廃が行われるというのが一般的な全国の流れです。
たとえば新潟県の場合も、圏域が広い地域では特にこうした問題が議論されました。新潟県の場合は、都市部への一極集中という事態は起こらなかったのですが、宮城県でも同じように都市部への受験生の集中という事態は起こらないのではないか、そう思います。
なぜなら、物理的に通学が無理な場合、下宿してでも通学するという気質を今の生徒は持っていませんからね。一部ではそうした生徒も出てくるでしょうが、それもわずかな数だと思います。
この1年、宮城県ではこの手の議論がたくさんなされるでしょうが、これは供給側、つまり教育委員会・学校側の問題ではなく、受験する家庭側の意識の問題だと思います。議会や教育委員会での議論を待つのではなく、各家庭で高校選択について真剣に話し合う必要があると思います。
宮城県内の公立高校で授業料減免制度を利用する生徒の割合が高まり、2008年度は全生徒の10%に達したことが宮城県などの調べで分かったそうです。
育英奨学金貸付制度の利用者も増加傾向で、高校生を持つ家庭が厳しいやりくりを強いられているのは現況の経済事情が影響していると考えられます。
2008年度、宮城県公立高校の生徒47200人のうち、授業料減免制度を利用した生徒は4893人で全体の10.4%。少子化の影響で、2007年度に比べ生徒数が1222人減少した一方で、申請者は128人増えました。
宮城県教委は、3月に行われた2009年度公立高入試状況をまとめて発表しました。
平成20年5月1日現在 中学校卒業予定者数
平成21年度22,096人 平成20年度 22,970人
募集定員 平成21年度 15,740人 平成20年度16,120人
併設型中学校から併設型高等学校への入学
平成21年度 73 人 平成20年度 77人
推薦入試
推薦枠 平成21年度 5,238人 平成20年度 5,372人
出願者数 平成21年度 6,263人 平成20年度 6,605人
合格者数 平成21年度 4,498人 平成20年度 4,658人
一般入試 学力検査
受検者数 平成21年度 13,037人 平成20年度 13,686人
受検倍率 平成21年度 1.18人 平成20年度 1.22人
合格者数 平成21年度 10,203人 平成20年度 10,652人
平成21年度入学者選抜における3%枠人数
※3%枠は、各高校の定員の3%を上限に学区外からの生徒を受け入れる制度
平成21年度 287人 平成20年度 287人 増減 ±0
推薦入試 3%設定枠
平成21年度 213人 平成20年度 212人 増減 十1
出願者数 平成21年度 91人 平成20年度 142人 増減 -51
合格者数 平成21年度 63人 平成20年度 87人 増減 -24
一般入試3%設定枠
平成21年度 224人 平成20年度 200人 増減 十24
出願者数 平成21年度 37人 平成20年度 31人 増減 十6
合格者数 平成21年度 30人 平成20年度 29人 増減 十1
推薦入試,一般入試出願者数合計
平成21年度 128人 平成20年度 173人 増減 -45
推薦入試,一般入試合格者数合計
平成21年度 93人 平成20年度 116人 増減 -23
全日制の平均点は500点満点中261.4点で、各教科の平均点・最高点などは以下の通りです。
国 語
平 均 51.6点 最 高 93点 最 低 0点 前年度平均 62.1点
社 会
平 均 53.6点 最 高 97点 最 低 0点 前年度平均 56.2点
数学A
平 均 44.9点 最 高 96 点 最 低 0 点 前年度平均 43.6点
数学B
平 均 57.5点 最 高 100点 最 低 0 点 前年度平均 63.6点
理 科
平 均 54.9点 最 高 100点 最 低 3点 前年度平均 53.6点
英語A
平 均 45.9点 最 高 98点 最 低 0 点 前年度平均 48.9点
英語B
平 均 68.9点 最 高 100 点 最 低 0 点 前年度平均 70.4点
2009年3月31日
日本高野連は、2009年第81回選抜高校野球大会に21世紀枠で出場している宮城県利府高校のベンチ入りメンバーの1人が携帯サイト上のブログで1回戦の相手だった掛川西高(静岡)を侮辱する書き込みをしていたことを発表しました。
甲子園内で記者会見した利府高校の菊地茂樹校長によると、開幕後の23日に選手の1人が掛川西高について「変な顔のやつばっか、笑 昭和くさい」などと書き込んだという。25日に自分の判断で削除したが、27日に行われた掛川西高との試合後、ブログを見た人から利府高に「不適切な内容ではないか、しっかり指導するように」などのメールが数件届いた。
学校側は宿舎の選手から事情を聴き、事実関係を確認した。54人の部員全員がブログを活用していたが、この事態を受けて閉鎖した。書き込みをした選手は「自分が逆の立場なら許せない。深く反省しています」と話しているという。
2009年4月2日
高校野球の利府部長が辞任の意向
第81回選抜高校野球大会に21世紀枠で出場した利府高校の穀田長彦部長が2日、辞任する意向を明らかにしました。携帯サイト上のブログに1回戦で対戦した掛川西(静岡)を侮辱する書き込みをしていた責任を取ったとみられています。小原仁史監督は引き続き指揮を執る予定。
利府は準決勝で花巻東(岩手)に敗れた。
◆推薦入試面接等・連携型入試実施日: 平成21年1月30日(金)
◆推薦入試・連携型入試合格発表日: 平成21年2月6日(金)
◆一般入試学力検査日: 平成21年3月5日(木)
◆一般入試合格発表日: 平成21年3月11日(水)
平成21年度入試においては、平成20年度入試とほぼ同じ判定方法で合否を決定します。
内申書の計算方法は、5教科を5段階で評定(満点は評価5×5教科=25点)し、実技4教科は5段階の評定を2倍(満点は評価5×4教科×2倍=40点)し、その合計点×3年間が内申点の総計。
つまり、各学年の内申点は65点満点で、3学年の合計は195点満点。副教科が2倍となるため3年間の学校生活において、副教科の取り組みは大事となります。
単純に主要5教科は25点と副教科4科目40点を比べて見ると一目瞭然です。
これら内申点の計算方法をもとに推薦入試では内申点のみで合否を決定します。
宮城県では現行、全公立高校で推薦入試が実施され、推薦枠は、普通科では募集定員の30%以内(コース制は募集定員の40%以内)、専門学科と総合学科は40%以内となっています。
学校によっては、内申点に加えて面接、作文、実技の結果などを含めて総合的に判定する学校もあります。いずれにしても推薦入試では内申点がすべてと考えておくほうが無難です。
一方、一般入試では、先に紹介した内申点と学力検査(5教科500点満点)の総点をそれぞれ10段階に区分し、両方の相関図表を用いて第1次選抜と第2次選抜で合格者を決定します。
高校によっては、学力検査で1教科または2教科を1.5倍または2倍とする傾斜配点を実施する学校もあります。なお、傾斜配点を行う学校は別項で紹介します。
宮城県内の公立高校の2009年度一般入試が3月5日、行われました。全日制の受験者は、前年度より656人少ない13037人で、平均受験倍率は1.18倍。宮城県教委によると、2009年度の公立高校一般入試の学力検査が終了した5日現在、定員割れは全日制で35校54学科。
競争倍率が高かった主な高校
塩釜高校 商業 2.36倍
古川工業高校 土木情報 2.33倍
仙台三高校 理数 2.23倍
仙台三高校 普通 1.70倍
今後、合格発表が3月11日に行われ、定員割れが確定した高校では2次募集が行われます。